旅館再建の為に体を張る女将
先代から引継いで
早いもので数年が経った
厳しい時期もあったけど
従業員の努力のおかげで
何とか客を取り戻して
この旅館は上手くやっていけている
これからも守っていきたい
「おい!どういう事だ!!」
ロビーで騒ぐ客がいる
「ったく厄介な客が来たな」
「おい、聞こえたらまずい・・・あの人は」
「私が行くわ」
「女将!」
騒いでる客は新しいオーナーだった
知り合いの旅館関係者から紹介してもらい
この男に出資をお願いした
男はあっさりとそれを了承
そこから事業は何とか安定したが
この男が受けてくれなければ
今旅館は無かったかもしれない
男はこの旅館のオーナーというだけではない
男はこの周辺のホテルや旅館
その関連施設ほぼ全てに出資している
もし機嫌を損ねたら・・・
「失礼します、他のお客様もいらっしゃるのでお静かに」
「あ?・・・あぁ女将か、会うのは初めてだな」
「はい」
「ふぅん・・・へへっ」
先代や従業員
そして自分の為にも
この旅館は必ず守る
その為なら何だって